中国人に有声閉鎖音のprevoicingを習得させるにはどうしたらいいか? Day 2

前回は、中国人であるうちの代表が、日本語の有性閉鎖音のprevoicingができないことをお話ししましたが、2日目は少し進歩しました!(詳しくは前回をお読み下さい。)

ちなみに、申し訳ないけどうちの代表は、発音の才能があるかないか二つに分けるなら、才能が無いグループに入ると思います。(笑)だから「どうせ才能がある人にしかできないから、俺には無理だ!」 “反正有才能的人是会,我是不会啦!” などと思わないで下さい。レモンスクールの原点は、才能が無く努力もできない人でも発音がうまくなることを証明することにあるからです。発音のセンスがある人は、音楽をやっている場合が多いですし、音楽をやっていなくても音感がそれなりに良いと思います。しかし代表は音感は悪い部類です。(笑)あと、好きこそものの上手なれと言うように、発音のセンスがある人は発音トークが大好きです。しかし代表は、自ら発音トークをすることはほとんどなく、あまり発音に関心がなさそうです。さらに、努力家は道を歩いている時でも発音練習をしますが、うちの代表はそういう努力もしません。また、発音ではありませんが、「腐る」のことを「くさくなっちゃう」と言うので、それを直しましたが、5年くらいたった今でも「トマトがくさくなっちゃった」などと言っています。このくらい、「直す」という意識の低い人です。(笑)こういう人をネイティブライクの発音にしてこそ、発音に特化したスクールの意義があるというものです。元から才能もあって努力もできる人はある程度勝手に上手くなるので、そういう人だけをネイティブライクにしてもあまり自慢はできませんからね。

まず[bbbbbb]だけで口を閉じて声をだけ出すように言っても、どうしてもどうしても[mmmmm]となってしまいます。

そこで「あーーーー」と声を出して、そのまま口だけ閉じて、閉じた後も「あーー」と言っていれば、頑張れば0.5秒くらいはprevoicingと同じ状態の、声帯だけふるえている状態が作れるので、それをやらせてみました。「あーーb」です。こういう感じです。声帯がふるえて声が出ていても、空気の出口を唇でふさいでいるので、いずれは空気が止められ、音は止まります。

これを代表にやらせてみましたが、どうしても「あーーm」と鼻音になってしまいます。これではいけません。

カリスマ発音教師の靜哲人という方によれば、「生徒から好かれようと思うな!」という厳しいやり方を奨励し、例えばpの発音などで唇をしっかり閉じない学生がいたら、その学生の唇を指でおさえて閉じさせる、という指導法をされているそうです。それを思い出し、私も「あーーー」と代表に言わせ、その唇を閉じようとしましたが、うまくいきませんでした。

そこで、中国語ではbのデフォルトの母音は/o/であることと(音韻的には/wɤ/という説もあるがこれはまた中国語音韻論の話で)、「お」の方が唇が小さくておさえやすいので、

「おーーー」と言わせ、私が無理やり唇を閉じて「おーーーb」になるようにしました。これだと、ほんの少しだけ、唇を閉じて声帯が震えている区間(有声音の区間)ができました!この方法はいけそうです!

しばらくすると、自力で「おーーb」と言って、bの前に有声音の区間ができたような感じです。

でも油断すると、「おm」になったり、逆に「おb」だけど「お」の部分が鼻母音になって[õb]になったりと、どうしてもどこかに鼻音が出てきてしまったりします。

しかしなんとか頑張っているうちに、「ぼ」という時に、[mbo]ではなく、prevoicingができるようになることもあるようになりました!!

しかしまだ、相当頑張らないとできず、まだ安定してできないので、できた所を録音するのは、また次回にします。

中国人にprevoicingを習得させる Day 3

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