ミナ表4巻の「もっと速く!」は、パニパニパイナ!のベントレー王子の真似:ジムとのイントネーションの違いも注目
お気付きの方もいらっしゃると思いますが、ミナ表(旧あな読み)では、いろいろな漫画のパロディーをちょこちょこ入れています。もちろんこれらの漫画を知らなくても、レッスン内容には全く関係ないので全く問題ありませんが、たまたまその漫画のそのシーンを知っていれば、その部分のレッスン内容も記憶に残りやすいかもしれません。
ミナ表4巻で、しばしば「もっと速く!」とレモンさんが言っています。
これはパニパニパイナ!2の、ベントレー王子(松山歩夢さん)の、パニパニ体操第2の真似です。パニパニパイナ!は、毎週日曜日午前7:00〜7:15に銀河チャンネル(J:COMならCATVの553チャンネル。他にも見る方法はあるようです。)でやっている、子供番組です。なかなかストーリーが面白いです。歌もたくさんあります。下の10:58の部分です。
2023年7月からのパニパニパイナ!3では、ジム(竹内慎平さん)という松岡修造系キャラが代わりに「もっと速く!」と言っています。でもイントネーションが違いますね。下の0:46の部分です。
上のベントレー王子の「もっと速く」のイントネーションは(動画の10:58)、「速く」の「は」の方が、「もっと」の「も」よりも、高くなっています。つまり「速く」にフォーカスを当てています。王子としては、とにかく速く動かしてほしいということかもしれません。
一方、下のジムの「もっと速く」は(動画の0:46)は、「もっと」の「も」の方が、「速く」の「は」よりも高くなっている、というか、「も」から「や」にかけてずっと下がっています。音声学的に説明すると、「もっと」も「速く」も頭高型(音声学者好みの言い方をすると有核)で、1単語目、2単語目と徐々に下がっていくので、これを「ダウンステップ」と言います。ダウンステップがある場合は、特に特定の単語にフォーカスを当てているわけではなく、普通に言っている場合が多いです。しかしジムの発音では、「も」が若干長いように聞こえるので、「もっと」にフォーカスを当てているのかもしれません。となると、王子はとにかく速く動かしてほしいのに対し、ジムとしては、1回目よりも速く動かしてほしいのかもしれません。イメージは以下のような感じです。
と、一応音声学関係のサイトなので、このようなマニアックな話をしていますが、実際は、王子の言い方とジムの言い方の違いに気づいている人も少ないでしょうし、ここでは特に意味の違いはないでしょう。
ミナ表4巻を作成した時点では、パニパニパイナ!3は始まっていなかったので、ミナ表のレモンさんは2の王子の言い方をイメージしているので、「速く」にフォーカスを当てたような言い方になっています。でもちょっと「く」が長かったですね。(笑)
ところで、なぜパニパニパイナ!をレモンスクールの発音のレッスンに取り入れたかというと、うちの2歳の息子が、ほんのちょこっとだけ、パニパニパイナ!2の終盤(シーズン2第48話)に、ヤンヤン役で登場させてもらったからです。本番の撮影を怖がってしまい、本来もっと出れるはずが、全然活躍できませんでしたが、、、
詳しくはこちらの記事で⇨パニパニパイナにちょこっとだけ出演させていただきました。
● パニパニパイナ!についての感想
ところでベントレー王子は、ドリアンどん(佐久間翔太さん)という悪役、というかアンパンマンのバイキンマン、ドラえもんのジャイアンやスネ夫的なポジション(?)のキャラに、あっさりやられているシーンがあったので、てっきり弱いのかと思っていました。しかし、千歳烏山のパニパニパイナ!ミュージック・フェスティバルを見に行ったら、ライブでベントレー王子とドリアンどんが互角に戦っていたので、実は結構強いのかもしれません。でも王子もドリアンどんも恐竜にビビっていたので、恐竜ハンター達よりは弱いはずです。さて、王子はパニパニパイナ!3ではレギュラーではなく、たまに出てくるだけになってしまいましたが、メア(仲田友紀子さん)と一緒に、パニパニ・ニュースをやっているので健在です。素で撮影裏話とか失敗談とかを話しているので、王子、メアの時と雰囲気が大分違いますね。また、実は「ベントレー王子」ではなく、Vで始まる「ヴェントレー王子」だそうです。「ヴ」の音の日本語でのポジションも、音声学的には面白いネタです。(個人的には東京の日本語に/v/の音素は認めておらず、/b/の自由異音と考えてますが、あまりにマニアックな話なのでまた別な機会に。)
もう1つ面白い所は、パニパニパイナ!2でメアが歌っていたパニパニ体操第1は、キーがEなのに対し、3でミーヤ(松浦愛弓さん)が歌っているパニパニ体操第1は、キーがE♭で、半音(カラオケだとキー1つ分)下げている点ですね。「もっと速く」が出てくるパニパニ体操第2の方は、どちらもE♭で同じキーなんですが。メアとミーヤが好きな音域もチェックすると、面白いかもしれません。キーを下げてるからミーヤは高音が苦手かと思ったら、それは大間違いで、かなり高音を出してます。良いヴォーカリストです。
メアのバージョン E(7:21あたりから)
ミーヤのバージョン E♭(10:34あたりから)
個人的に好きなキャラは、大魔女マーラ(花村怜美さん、小さい魔女っ娘の時は2023年12月10日までは船川燿さん、2023年12月17日からは花村怜美さん)ですね。ミュージック・フェスティバルの時に「マーラ!」と声援を送ったら、花村怜美さんにすごく喜んでいただけたので、嬉しかったです。大魔女マーラの時は、口調のせいかややふけて(貫禄があるように)見えますが、素の時は別人のようにかなり若い方です。主要キャラの一人で、なかなか良いヴォーカリストです。