英語発音技能検定 EP-Pro®︎ 2級について。どう対策する?

 英語発音技能検定 EP-Pro2級の受験を考えている方のために、私の経験を元に、参考にしていただければ幸いです。

 英検とかTOEICなど、発音以外の試験は有名だけど、発音に関して自分の腕試しをしたいという方は、是非受けてみて下さい!

 私は、発音の研究者というカテゴリーにも含まれる人間ですが、こういう研究活動をしているから必ずしも発音が良いわけではありません。

 研究者というのは、スポーツで例えるなら、例えばボールの回転数がどうだ、打点がどこの時はどのくらい点が取れる、などのようなデータを取って分析する人たちのことで、必ずしも選手のような技術があるわけではありません。もちろんこういう感覚ではわからないことを数値化して、結果に結びつけるようにするので、研究者たちは縁の下の力持ちというわけです。

 しかしやはり表舞台に出るには、選手としての技術を身につける必要があります。

 ひょんなことから、英語発音技能検定 EP-Proという試験の存在を知りました。これを受けてみることにしました。これは、「英語指導者のレベルアップ・スキルアップを目指した検定」とのことですが、受験者は必ずしも先生とは限らず、約半分くらいは、学生や先生ではない職業の人たちのようです。こちらがEP-Pro公式インスタグラムの2021年の時点での受験者の属性です。→どんな人が受験しているの?

 

 最高の級は、特級。しかし特級を受けるには1級合格が条件で、1級を受けるには2級合格が条件です。2級を受けるには条件はありません。一番下の級は3級です。これは、各級で問われる課題が異なるので、全ての項目がしっかりできていることを確認するために、少なくとも3回テストをする必要があるのではないかと思われます

 受験料もそれなりにすることもあり、私は3級は受けず、2級から挑戦することにしました。

 どんな試験か気になるところでしたが、過去問は見つかりませんでした(でも公式の対策問題を以下に紹介するので、安心して下さい!)。また過去の受験経験者のブログなども探しましたが、問題の情報はありませんでした

 これは、EP-Pro受験規約に、「試験問題の複製(コピー)及び試験問題の一部または全部を当社の許可なく他に伝え、漏えい(インターネット等への掲載を含む)することは、法令により許される場合を除き一切禁じます。」と書かれているからだと思われます。問題の内容は言えません。

 また、特級を受けた時に判明したのですが、試験問題は毎回違うようです。仮に誰かから不正に試験問題を教えてもらったとしても、同じ問題は出ないので、あまり意味は無いかもしれません。

 だから、とにかく試験に申し込むしかないと思い、申し込みました。申し込むと課題が与えられ、2週間以内に自分で動画を撮って、それを送ります。2週間の猶予があるので、既に相応の実力があれば、充分問題を知ってから準備することができます

 この2週間の間に、難しい部分をネイティブの知り合いに発音してもらったり、チェックしてもらってもかまわないそうですネット上でも、例えばYouglishなどで、ネイティブの発音をチェックすることもできます。というか、是非こういう準備をしっかりしましょう!ただ、ネイティブからOKをもらったからと言って、必ずしも試験で正しく評価されるとは限らないらしいので、こちらの公式インスタグラムをチェックして下さい→ネイティブの先生にはOKをもらえたのに

 ただし、自分で撮影した動画を、編集することは許されないそうです。それはそうですよね。つまり、一発撮りなので、結構緊張します!例えばくしゃみをしても、そこを編集して切り取ってはいけないんだと思います。(笑)まあおそらくくしゃみは減点の対象にはならないでしょうが。自分を録画、録音することに慣れておいた方が良いでしょう。練習のために、何度も自分を録音して、自分の発音を聞くのも大事ですし。また、口の形も見られているようなので、自分の口の形も録画してチェックする必要がありそうです。録音、録画すると、自分で思ってたのと違ったりするものです。。。

 採点は、ネイティブスピーカーの先生1人、バイリンガルの日本人の先生2人の、3人体制で行われるそうです。(どこの英語のネイティブスピーカーかはわかりませんが、おそらくアメリカ人?)

 「何度でも撮り直して良い」と言われますが、実際は一回録画するだけで、結構疲れます!だから、1日でそう何度も取り直すことは体力的にも、精神的にも、喉的にも難しいのが現状です。それでも何度も撮り直さないといけない場合は、1日に何公演もライブをこなす、ミュージシャンや俳優になったつもりで頑張りましょう!

 スマホで録画しても良いそうですが、やはり音を正しく聞き取ってもらうために、それなりに良いマイクをパソコンに接続して、パソコンで録画しました。マックのデスクトップを使っているので、Photo BoothQuickTime Playerの録画機能いう選択肢がありましたが、ファイルのサイズが500MB以内でなければいけません。2級はまだ良いですが、特級は録音時間も長くなるので、1080p:1920×1080(フルHD)では500MBに収まらなくなります。確か720p:1280×720(HD)とかにするようなことを薦めらていました。しかし、私がPhoto Boothで録画したものを書き出す時に、ファイルのサイズを設定する方法を知らないのがネックでした(私が知らないだけで、方法はあるかもしれません)。QuickTime Playerなら、「書き出す」の所でサイズを設定できるので、QuickTime Playerを使うと良いかもしれません。でも2級はPhoto Boothで録画して、1080p:1920×1080(フルHD)で提出しました。ちなみに私の2級の動画は2分22秒でファイルのサイズは213MBでした。

 夏ですが、念の為冷房の音にかき消されて、例えば摩擦音の音がかき消されて正しく聞き取ってもらえないことを恐れ、夏なのに冷房を消して録音しました。しかし1回目は、録音中に夕立がきて雷が鳴るというハプニングがあったので、これはボツにしました。天候にも気を配りましょう!(笑)

  

 さて気になる問題の対策ですが、公式インスタグラムを見てみましょう。念の為、3級のこともできるようにしておく必要があるので

             →3級対策。 

             →3級合格基準

 そしていよいよ2級です。→2級によく出る問題チェック

             →2級問題にチャレンジ1

             →2級問題にチャレンジ2

             →2級合格基準

ここに書かれている音や単語は、全て言えるようにしておく必要があります。1音1音正しく言えるようにチェックした方がいいでしょう。

 まず、2級では、自己紹介はそんなに心配する必要はなさそうです。書かれてある部分をしっかり読めば良いと思います。

 次に、「フォニックスを理解しているかを重視」と再三書かれていて、「AからZで始まる単語の発音」と書いてありますが(Xは単語の始まりではありません。)、これはいわゆる「アブクド読み」と呼ばれるものの練習、つまり小学校、中学の英語の教科書の後ろの方についている、AからZまでの音が出てくる単語、これを正しく理解して、言えるようにしておく必要がありますXはKS、又はGZと同じ音、CとQはKと同じ音です

 AからZまでの単語で、母音はAが決して「ア」に、Iが決して「イ」に、Oが決して「オ」にならないように、しっかり理解する必要があります。

 単語読みテストでは、例題に出てきた母音もそうですが、子音もL, R, V, THを狙い撃ちしてくるので、これらの子音を安定して言えるようにしておく必要があります。

 2級では、段落を読む課題はありませんが、短いセンテンスを読まないといけません。リンキングイントネーションを見られるようです。リンキングでは、This is aとか、make upなどのphrasal verbのような、子音で終わる単語の後に、ストレスの無いbe動詞とか、前置詞、冠詞が来た時に気をつけましょう。逆に例えばThis is awesome!では、isの後のaweという母音がきますが、このaweにはストレスがあるので、こういう時はネイティブもリンキングしないことも多いので、無理にリンキングをしなくても大丈夫です。ストレスの無い母音で始まる単語の時だけ気をつけて下さい

イントネーションは、2級の段階では、ストレスのある母音から下がる。He is American. だったら、He is A ↘︎ merican↘︎ 

疑問文の時は逆にストレスのある母音が低くてそこから上がる。Is he American? だったら、Is he又はIs he A↗︎ merican?↗︎

この2点だけおさえて、これを組み合わせていけば問題ないと思います。

 

 さて、私も受験しましたが、ちょうど1週間で結果が届きました。結果は、、、

 

 無事満点で合格できました!!よかったです!!ただ、

減点はしませんでしたが、全体を通してアメリカンアクセントだったのに対し、Z の名前読み(アルファベット読み)が /zed/ になっていたことに少々違和感を感じました。(カナダで習得されたのでしょうか?)」

 という評価がありました。まさしく、私はカナダで英語音声学を学んだので、Zは/zed/ と言っていました。やはり、英語教員向けのテストということで、模範となるのは標準的なアメリカ英語、又は標準的なイギリス英語このどちらかで、それを一貫させることが求められているようです。これは大事ですね!

 120点満点中、合格点が何点なのかはわかりませんが、「110点以下で合格された方は」という注意書きがあるので、110点以下でも合格できるようです。多少のミスは許されるようなので、ミスしてもそこで、すぐに気持ちを立て直すことが大事かもしれません。私もセンテンスを読む所で、1回噛んだのですが、それでも満点取れたので、1回くらい噛んでも2級の時点では大丈夫なようです。でももちろん満点取るつもりで頑張って下さい。

 とにかく、頑張って下さい!!

 1級については→英語発音技能検定 EP-Pro®︎ 1級について。どう準備する?減点の具体例

 

 最後に宣伝ですが、母音や子音、リンキングやイントネーションを徹底的にやりたい方は、→全て通じる英語の37音表をのぞいてみて下さい。

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