「ミナ表」修了者が英語発音技能検定EP-Pro特級合格、EPT英語発音テストで英語発音指導士認定コース受講資格を得ました!

レモンスクールの「全て通じる英語の37音表(ミナ表)」を4巻までしっかり修了し、個別指導も少し行なった方が、

無事、英語発音技能検定EP-Proの特級に合格されました!

そして、国際英語発音協会のEPT英語発音テスト90点以上取得者に、英語発音指導士®︎認定コースの受講資格が与えられますが、それもパスされました!

おめでとうございます!

 

勝因は何と言っても、この方の練習熱心さと、必ず合格するという意気込みに尽きるでしょう。そこに敬意を表したいと思います。

8月には、英語発音指導士®︎認定コースも受講されるとのことです。頑張ってほしいです。取得後は同僚になりますね。

私自身も、EP-Pro特級合格者、英語発音指導士®︎を、ミナ表受講者の中から輩出するという実績ができることは、大きな自信になると同時に、EP-Pro特級合格者、英語発音指導士の師匠という立場になることからも、私自身ももっともっと技術を身につけなければいけないというプレッシャーも感じます。

 

元々この方は、英語発音技能検定EP-Proの1級をお持ちの方で、既に発音力が高いレベルでした。しかし、現在の英語発音指導士でも、1級は合格したのに、特級は何度も落ちて苦労したという方もいらっしゃいます。1級と特級の間にはやはり大きな壁があるのも事実です。この方も特級に合格する自信はないということで、レモンスクールのウェブサイトを見て、相談に来ていただきました。

 

まずこの方の悩みは、カナダとオーストラリアに滞在されていたことがあり、普段はフィリピンの先生としゃべっていて、イギリスのビートルズとブリジットジョーンズの日記が好きということで、色々混ざってしまっているということでした。

しかしEP-ProもEPTも、方言が混ざることは嫌います。日本語で例えるなら、標準語、関西弁、東北弁、九州弁などが混ざっていては、発音の指導者としては好ましくないというようなものですね。一つに統一しないと、生徒さんも混乱しますからね。

 

例えば顕著な悩みは、partyのrとか、paperのerを、発音したりしなかったりという部分を、日頃から指摘されている点でした。母音の後のrを発音するなら一貫して発音する、発音しないなら一貫して発音しない(イギリス英語の、後に母音が続いた時に特定の場所でrを発音するのも、イギリス英語として自然に聞こえるようにしなければいけない)というように、方言を統一させなければ、特級には合格できません。

 

そこでまず最初のステップとして、どこの方言でいくかを絞りました。というか、私はイギリス英語の指導は得意ではないので、アメリカ英語でも大丈夫か確認したら、むしろアメリカ英語をやりたいとのことだったので、目標はアメリカ英語に決定しました。

 

アメリカ英語なので、まずpartyのrとか、paperのerといった母音の後のrを発音することに慣れてもらいました。つづり通りなので、rの発音さえできれば、ルールそのものは簡単です。ただrの頻度が増えるので、rに慣れないうちは大変です。

 

他にアメリカ英語でこの方が苦労したのは、hotやwatchなどの、フォニックスでいういわゆるshort oの発音です。発音記号でいう/ɑː/の音です。→レモンスクールのyouTube動画「/ɑ/と/ɑː/はネイティブにとって同じ?!/発音記号をブチのめせ!」も参照。最初は、音はあっているのですが、口を大きく開けすぎていて、強調しすぎていてスムーズにできませんでした。もちろんこれでも音素は正しいので、問題なく通じます。EP-Pro2級までは、問題ないでしょう。しかし、特級はスムーズさがないと減点されてしまいます。正確さ+スムーズさまで習得するのに3ヶ月かかったとのことでした。

 

また、イギリス発音では違う音素が標準的なアメリカ英語では同じ(例、fairyとferry、seriousとSirius、cotとcaughtなど)、逆にアメリカ発音では違う音素がイギリス発音では同じ(例、pawとpour、fatherとfartherなど)ものなどを、ちゃんと理解できるように、アメリカ英語の音素を37音に絞りました。つまり、アメリカ英語で区別しない音は区別しない、区別する音は区別する、ということです。これこそが、私のレッスンで一番最初に知っていただきたいことですからね。

多くの方言を聞いている方は、むしろアメリカ英語で区別しないものを区別して、アメリカ人よりも多くの音素を区別してより難しくしまっている場合があるので、音素を少なくしてより簡単な発音をしてもらうようにしましたが、簡単になるはずなのに、違和感があってなかなかできないというメンタルのブロックに苦労されていたようです。これも多くの日本人が味わうことですね。

 

あとは、フォニックスでいうshort iが、油断すると日本語のイになってしまっていることがある点も、私は少し気になったので、そこも直していただきました。

 

あとは、個々の音(分節音)の問題かプロソディーの問題か微妙ですが、fifth, sixthのような子音の後のthを、thの正確さを強調するあまり、thで1シラブル(1拍)分カウントしてしまっているような発音になっていたので、fifth, sixthだけで1拍で発音することを、練習してもらいました。

他にも、I amのmや、worldのdなど、母音の後の子音を1拍カウントしてしまっている発音がありました。もしかしたらうまく発音できてるように聞こえた部分はたまたまで、うまく発音できなかったものがこの方の本来の発音だった可能性もあるので、そこは、「全て通じる英語の37音表(ミナ表)」の3巻で徹底してやっているドリルで、練習していただきました。

それまでは、大好きなビートルズの歌を1曲歌えたことがなかったそうですが、その原因の1つは、母音の後の子音を1拍カウントしてしまったことでしょう。「ミナ表」3巻の練習を徹底していただいた結果か、歌詞がピッタリ曲にはまるようになり、ビートルズを歌えるようになったと喜んでいただけたので、それが非常によかったです。

 

次のステップとして、日本人にはなかなかイメージがつかみにくい英語のstress-timed rhythというか、フットのリズム。これも理解できれば簡単なんですが、 理解できないと手も足も出ないので、やはりここに苦労されていたようです。これを克服することも、「ミナ表」の醍醐味です。特に4巻で徹底しているので、練習していただきました。

 

もう一つこの方が苦労されていたのは、フォニックス(つづりのルール、音とつづりの対応)でした。EPT英語発音テストでは、初見の文を読まなければならず、そこに固有名詞が結構出てきます。初めて見る単語を読むには、フォニックスの知識が必須です。「ミナ表」では、つづりと発音を同時に覚えられる「発音リスペリング」を採用していますが、発音リスペリングを原点として、フォニックスに慣れていただきました。

そして「フォニックスのルールをまとめた表がほしい」というリクエストをいただきました。そこで、「ミナ表」に、「フォニックスマエストロ (Phonics Maestro)」というルール一覧表をまとめたものを加えました。この方のおかげで、私のレッスンがグレードアップしました。

 

もう一つ軽視されがちなのは、声の質です。ここはまだ私自身試行錯誤中ということもあって、ミナ表ではレッスン16や28あたりで少し触れている程度で、声そのものに焦点をあてたレッスンはやっていませんが、この方は声に関する質問をしてきたのも、さすがだと思いました。というのも他の発音コーチから、声のことを言われたからだそうです。

このテーマはいずれ取り上げたいと思いますが、声のレッスンに関しては大きく分けて ①のど派、②舌派 という2つの派閥があるように見えます。前者は英語喉の上川一秋氏やYouTuberのRachel先生、後者は音声学者のBryan Gick先生あたりが代表的だと思います。(日本語の発音に関しては、篠原さなえ先生も後者に入る印象です。)

これはどちらが正しいということではなく、どちらが自分に合うかかもしれません。私は、のどで声を変えると、物真似でもしているかのようで、自分の声でしゃべっている気がしないので、いまいちしっくりきませんでした。(私にしっくりこなかったというだけで、しっくりくる方もいるでしょう。)なので、私は舌派です。舌の形を変えることで声も変わりますし、舌のデフォルトの位置や形で、英語なら英語、日本語なら日本語の子音や母音も発音しやすくなるので、それと声の質が連動していると思います。そのことも伝えておきました。

 

他に個々の単語でおもしろかった点は、girlは発音できるのに、squirrelに苦戦されていたことです。というのも、辞書では、前者は1シラブル(1拍)、後者は2シラブル(2拍)なので、別物と考えていたからでした。そこで、girlのgをskwに入れ替えて、同じように発音するように提案したら、すんなり解決できました。

また、try toとtried toの発音も同じで良いと提案したら、tried toを克服できました。andのdも発音せず、enで良いと提案しました。これで語末のdを気にしなくて良くなりました。

 

このあたりを頑張って練習していただき、見事に合格できました!!私はきっかけを与えただけにすぎず、やはりこの方の努力とモチベーションの結果につきるでしょう!

 

余談ですが、この方も私と同様で、テニスが好きな方だったので、テニスで例えたら理解していただける部分が多々あったのも功を奏しました。

 

発音テストの合格だけでなく、英語の歌も歌えるようになり、発音をほめられるようにもなったということで、とても喜ばしいことです!

 

最後に、私自身への戒めでもありますが、どの分野でも、プロテストに合格することがゴールではなく、そこはあくまでスタート地点であり、プロになってからが本当の勝負だと思うので、そのような気持ちで今後も頑張っていただきたいと思います!私も追い越されないように頑張らないといけません!

 

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