英語発音技能検定 EP-Pro®︎ 特級の対策。これをやると不合格!
英語発音技能検定 EP-Pro特級の受験を考えている方のために、私の経験を元に、参考にしていただければ幸いです。
EP-Proの受験が初めてという方は、是非試験の全体像を知るために、2級と1級の記事も読んでいただければと思います。
→英語発音技能検定 EP-Pro®︎ 2級について。どう対策する?
→英語発音技能検定 EP-Pro®︎ 1級について。どう対策する?減点の具体例
1級までは、発音の技術をチェックする課題ですが、特級は、模擬授業的なことをやらないといけないので、既に発音指導の経験がある人が対象のようです。「実際にはどういうミスが多いのか」「こういう説明をすると、どういう反応が返ってくることが多いのか」というような、教科書からは学べない、実際の指導経験からのみ学べることをある程度体験していないと、厳しいかもしれません。また、自分の指導法にある程度の信念というか、主義を持っていることも必要だと思われます。
特級の合格条件は、「プロへの発音指導ができる」「ネイティヴスピーカーよりも(指導者として)お勧めのレベル」「ネイティヴスピーカーよりも細やかな指導ができる」ということなので、これを見ると相当ハードルが高そうに感じます。しかし、「日本人の気持ちなら、ネイティブよりも日本人の方がわかる」のは当然のことで、特に私のように、帰国子女でもなんでもない、普通に日本の中学、高校で日本の英語教育を受けた人にとっては、日本の英語環境を体験しているので、これはネイティブには無い大きな強みです。たとえ先生の英語の発音が良くても、受験生たちが生徒同士で英語の試験の話をする時は、ほぼ100%カタカナ発音で英単語を言いますが、こういうことを直に体験していることは、大きな強みと言えるでしょう。ネイティブより発音そのものは下手でも、ネイティブより日本人の心に寄り添った指導ならできるはずです。
Ep-pro公式インスタグラムの特級の所や、EP-Proの背景もチェックしておいて下さい。
そこで私も特級を受けてみました。2級、1級の時とは録画時間が大幅に増え、6:24分。Photo Boothでは動画のサイズの調整のしかたがわからなかったので、QuickTime Playerで録画し、「書き出し」の時にファイルの大きさを設定して、363MBでした。詳しくは→英語発音技能検定 EP-Pro®︎ 2級について。どう対策する?
録音時間が長いので、1回で結構体力も精神力も消耗するので、「何度でも取り直して良い」と言われても、現実はそうそう何度も取り直しするわけにもいきません。疲れて余計におかしくなってきます。しかも、10秒程度の録画なら、何度も何度も撮り直しているうちに、1回くらいマグレで実力以上のものが出たりするかもしれませんが、6分〜7分のパフォーマンスとなると、1箇所マグレが出ても、他の場所でミスをするかもしれないし、結局総合的には番狂わせは起きにくくなります。ある程度「これが今の自分の実力だ。実力以上のものは出ない。」と認めることが必要のような気がします。
さて結果は
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残念ながら、不合格でした!!特級は受験料22,000円もするので、なかなか痛いです。(涙) 不合格だと灰色で表示されます。
以下減点ポイントです。是非これを見て、私と同じ失敗をしないようにして下さい!
●「brの子音連続のr の音がやや不明瞭。bだけのように聞こえた」(-0.3)。自分ではちゃんと発音したつもりでしたが、聞き手に聞き取りにくいのならだめですね。-0.3なので、大した失点ではありませんが、みなさんも注意して下さい。
●「lの前のi の音。短母音の e に近い音になっていた」同じ単語で2回(-1.7)。これは痛恨のミスです!考えられる理由は3つ。1つ目は、1級の時に、ショートIが、ロングEのようになってしまったミスを1つしたので、そうならないように気をつけていたのですが、過剰修正してしまったかもしれません。2つ目は、音声学の学会の時に、カナダ英語のショートIの音声を聞いて、あるアメリカ人の先生が、「アメリカ人の私の耳にはショートEに聞こえる」と言っていました。実はカナダ英語にはCanadian Shifという母音の音色の特徴があり、もっと細かくいうとlax vowel loweringと言い、ショートIとEとAの口の開きがやや大きいという特徴があります。つまりショートIがショートEに近くなり、ショートEが日本人の耳に「ア」っぽく聞こえるようになり、ショートAもアメリカ英語の東の方のショートOに近いような音になっています。私はカナダで英語を習ってカナダ英語の母音の研究をしていたので、その影響もあると思います。3つ目は、Lの前ということで、余計にショートIが後ろよりの発音になってしまったのでしょう。
●1級同様パラグラフを音読する課題がありましたが、「淡々とした語り口調でしたので、聞き手に寄り添い、強弱をつけるなど感情を込めたストーリーテリングを目指しましょう」(-2)!これは非常に痛い失点です!というのも、1級の時は「感情をこめて読んでください」という指示があったのに対し、特級では「次の英文を音読してください。」としか書かれておらず、「感情をこめて読んで下さい」とは書かかれていなかったので、感情はこめなくても良いのだと思い、個々の音を正確に発音することだけに集中していました!感情をこめなければいけなかったのです!注意しましょう!
●「as he( sが /s/ の音になっていた )」(-0.7)。「◯◯のように聞こえる」だけなら、減点は-0.3のようですが、「完全に別の音素になっている」場合は、-0.7のようです。確かに聞いてみると、完全に/s/に聞こえます。本当は/z/でなければいけませんでした。自分では/z/を発音したつもりでしたが、/s/になっていました。後に無声音の/h/が続くだけに、注意ですね。
★これら発音の実技の課題に加えて、特級では、「◯◯について説明して下さい」という課題が2つ出題されます。しかし、問題には「日本語で説明して下さい」とも、「英語で説明して下さい」とも書かれていません。私は「英語の発音のテストなのだから、英語で説明するのだろう。そしてその英語の発音をチェックされるのだろう。」と勝手に思い込んでいました。そして、1級の時にも使ったチャットGPTで英語をチェックしてもらって、2つのスピーチ文を作り、英語で答えました。しかしテストの結果には、「明記はしておりませんが、日本語話者に対する日本語での説明を想定しています。今回は得点には影響いたしませんでしたが、念のためお伝えしておきます。」と書かれてありました!日本語でよかったのです!!しかも、スピーチ中の英語の発音をチェックされるのではなく、内容だけをチェックされるものでした!
特級の説明の課題が、「日本語によるプレゼンテーション」だということは、EP-Proの公式サイトのこのページに密かに書かれてあり、公式インスタグラムにも書かれてありました。実を言うと私はこの時点では、まだ公式インスタグラムの存在を知らず、完全に下調べ不足でした。。。
●1つ目のプレゼンテーションは、2分程度。こちらは、英語でしましたが、減点はされず満点でした。問題は言えませんが、発音指導に関する信念のようなものが必要だと思われます。
●2つ目のプレゼンテーションは、3分程度。こちらは、日本人が苦手な発音の違いを説明するものです。減点された理由は「視覚情報を加えたり、単語を練習するパートがあるとなお良かったです」(-2)これも結構痛い失点です!問題には「プレゼンテーションして下さい」としか書かれてありませんでしたが、「視覚情報を加えたり」ということから、また公式インスタグラムによると、特級合格者の中に「タブレットを使ったプレゼンテーション」と書かれてあるところをみると、どうやら小道具を使っても良いようです。私も一応、手を使って舌の動きの説明をしましたが、紙などを使った方がいいかもしれません。単語を練習するパートを加えることも大事なようです。
下調べ不足でしたが、発音のチェックも今までより厳しくなった気がします。さすが特級です。
しかし、ショートIの失点は修正できる自信があります。そして感情を込めて読むのも、1級の時と同じようにやればある程度いけるでしょう。これで最大3.7点上げられるので、うまくいけば60/63になります。また、今回は英語でプレゼンテーションしたため、英語の発音を間違えないようにとそこに注意を払いすぎて、細かい部分まで神経が回りませんでした。しかし、日本語のテストではないので、よほど滑舌が悪くないかぎり、日本語の発音を多少言い損ねても、噛んでも、減点される心配は無いだろうと思えば、内容に100%集中できます。そして視覚情報と、単語練習パートを加えれば、減点をさらに抑えられます。合格点が何点だかわからないのですが、計算では60点を超えられそうです。60点超えれば合格なのではないかと思います。再チャレンジします。
elsa speakの診断テストをやってみてほしいです
発音矯正アプリとしては一番有名だと思います
情報ありがとうございます。是非やってみたいと思います!