「発音リスペリング」の小学校英語での効果検証:中国語教育の応用 日本音韻論学会2023度春季研究発表会分をYouTubeにアップしました

 レモンスクールの目的の一つは、日本の英語教育で、発音記号を発音リスペリングに置き換えることです。

 誤解しないでいただきたいのは、決して発音記号を毛嫌いしているわけではありません。むしろ発音記号への愛情は、日本人の中でもかなり上位だと思います。だからこそ、発音記号が日本の英語教育で事実上機能していないことが悲しいのです。

 多くの人は(英語の先生も含めて)、発音記号など一度も使ったことがないでしょう。それが現実です。

 一方で、独学で発音記号を読もうという努力家な方達もいらっしゃいます。しかし、これは受け入れ難い事実かもしれませんが、発音記号の紛らわしさに惑わされて、逆に正しい発音ができなくなってしまうのが現状なのです。詳しくは、YouTubeの再生リスト、「発音記号をブチのめせ」シリーズをご覧ください。

 それならば、いっそのこと「発音リスペリング」という「読み通りのつづり」に置き換えてしまいたいと思っています。

 発音リスペリングとは、例えば
knife→nife
right→rite
tough→tuf
love→luv

 2シラブル(2音節、2拍)以上の単語なら
Japan→juh-PAN
Japanese→JAP-uh-NEEZ

という具合です。 ネイティブは発音記号は使いません。代わりにこのタイプの発音リスペリングを使います。なので、日本人も是非これを習得して、ネイティブの感覚に近づきたいではありませんか!

 発音リスペリングの方が、発音記号よりも学習者にとって使い勝手がはるかに良いことは、経験的にも、科学的にも検証しています。

 まず経験的には、私が大学で発音リスペリングを使った発音の授業をしていた頃、定員30人ほどのクラスなのに、ありがたいことに119人の学生たちが履修してくれたので、教室を講堂に変えました。一方、やはり発音リスペリングを推しているネイティブの先生が、あえて発音記号中心の授業を行った所、履修者は16人でした。

 このように大学生からは、発音リスペリングは発音記号より圧倒的に人気があることが伺えます。

 さらに、発音リスペリングの授業を、実際に大学生と小学6年生のクラスで行って、その成果を、科学研究費で資金をサポートしていただき、教育委員会や小学校にもご協力いただき、調査しました。

 そのことを、日本音韻論学会2023度春季研究発表で、発表させていただきました。その時の動画をYouTubeにアップしたので、よかったら是非ご覧になって下さい。

 

以下が資料です。

※今回の動画は、日本音韻論学会、2023年度春季研究発表会のオンラインで発表したもの(発音リスペリングの小学校英語での効果検証:中国語教育の応用)、ほぼそのままです。https://www.phsj.jp/PDF/2023Spring.pdf

●ハンドアウト https://lemonschool.tokyo/wp-content/uploads/2025/09/pronunciationrespellingpdf.pdf

●発音リスペリングの具体例 https://www.baseball-reference.com/friv/baseball-player-name-pronunciation-guide.shtml

●ウィキペディアの発音リスペリングのページ https://en.wikipedia.org/wiki/Pronunciation_respelling_for_English

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