中国人日本語学習者が「ラプンツェル」を発音できない本当の理由!ガチ音声学
うちの妻は中国人で、日本に10年以上住んでいて、
日本語能力試験1級ホルダーで、
日本語での生活に全く問題ありませんが、
ラプンツェルを正しく発音できません。
※英検1級ホルダーが英語のRapunzelを発音できないようなものでしょう。珍しいことではありません。
まずは聞いて下さい。
「ラップンツェル」のようになってしまいます。
無理に「『ッ』を入れるな」と言うと、
「ラブンツェル」になってしまいました。
これは一見、小さい「っ」、つまり即音の問題に見えますが、
また「プ」が「ブ」になることから、
有声音無声音(近年日本語音声学で旬のトピック?)の問題にも見えますが、
確かにこれらの問題もないことはないでしょうが、
一番の原因は、次の「ン」だと考えています。
ここを解決しないと、永遠に解決できないと思います。
いやいやちょっと待って!
「ラップンツェル」は明らかに「ラ」「ッ」が問題なのに、
なぜ「ン」が関係あるんだ?と思うかもしれません。
根本は前回の「日本語はモーラ言語ではない(拍=音節)」に
帰る話です。
音声学的な話をすると、問題は、
ラプンツェルのンを、コーダで発音するか、音節主音で発音するか。
これも結局、コーダの鼻音と音節主音の鼻音が発音仕分けられないと、
何を読んでも理解はできないんですよね。
上海語や閩南語には、両者の区別がはっきりあるようなので、
これらの母語話者には理解しやすい話でしょう。
英語でも強いて言えば、
somethingをものすごく雑に発音すると[sʌm]のようになりますが、
分節音的には同じ[sʌm]でも、
someの[sʌm]は1音節(1単位、これ以上分けて発音できない)、
something[sʌm]は2音節(2単位、[sʌ. m]と明確に分けられる、
[m]にweightがある。)、
の区別のようなものですね。
うちの妻には「ラプンツェル」の「プン」が1音節(1単位)なので、
音節の等時性を保とうとして、
※この第二言語話者の中間言語の音韻体系での音節の等時性
「ラ」を「プン」と同じ長さに合わせようとしてしまう。
これが根本的な問題でしょう。
同じように「自信」が「じっしん」になってしまいます。
これも「しん」を1音節で発音するため、
音節の等時性を保とうとして、
「じ」が「しん」と同じ長さになってしまいます。
「自信満々」の音声がこちらです。
つまり「ぷん」や「しん」を2音節で発音すること、
「ぷ、ん」「し、ん」と明確に分けて発音すること、
音節主音の「ん」を単独で発音できること、
これが必要です。
妻はこれができません。
しかし現代の9割の音声学者は「ぷん」は1音節2モーラだと言うので、
「何を言ってるんだ!」と思うでしょう。
是非「日本語はモーラ言語ではない(拍=音節)」をご一読下さい。
裏技的なもので、即効性のある矯正も、
それはそれで達成感があるので、
要所要所で使うことは大事ですが、
僕はやはり基礎をしっかり固めて根本を治すことが、
一番の発音矯正の醍醐味だと思っています。
でもそれ以上の問題は、妻が夫の言うことを聞かないことです😅
このような関係では発音練習はしてくれません。
しかし鏡の法則を考えると、
妻が僕を信用していないのは、僕が妻を信用してないからでしょう。
まずは僕が妻を信用することですね。
家族の関係が悪いと、仕事も何もうまくいかないと言います。
音声学の議論うんぬん以前に、
まずは僕が家族から信用してもらえるように、
人間力を高めないといけませんね。
しかし、このように自分の発音を”悪い例”として、
使わせてくれる点に関しては、妻に感謝です。
僕は、自分の悪い発音をアップされたくないですからね。😅

